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オレラグ

【Preview】第12節 レノファ山口戦

2019年5月3日

来るぞ来るぞと聞いてはいましたが、ほんとに来ましたね、令和。
元号が変わっただけなので、急に願いが叶ったり、年を取ったりするわけでもないですし、言ってしまえば2019年も5月に入りましたねって、ただそれだけではあるのですが、自分としては改元という初めての体験はなかなかに興味深く貴重な瞬間だったのかなぁなんてなんとなく思ったりしています。

新時代になったので新鮮な気持ちでとか、新たに仕切り直してみたいな心持ちになったりもするのですが、当然リーグは仕切り直されません。
アルビレックスはやっぱり3勝5分3敗の勝ち点14で今週末に第12節を迎えます。でも4つ続いている引き分けを勝利へ転換させるにはこの大きな時代の節目は絶好の機会と捉えていいかもしれません。いや、かもしれませんじゃないですね。そう捉えましょう。

レノファ山口

昨年の前半戦は小野瀬、オナイウ、高木の3トップを看板とした破壊力抜群の攻撃で旋風を巻き起こしたレノファですが、シーズン途中に小野瀬をガンバに引き抜かれて以降は勢いが落ちてしまい、今年のオフにはオナイウも大分へ移籍してしまいました。
それでも得点はここまで16点とリーグで2番目の好成績を誇っています。順位が11節終了時点で17位であることを考えればかなり強力な攻撃力であることは間違いありません。
昨年の看板だった3トップのうち2人が移籍してしまったわけですが、やっていることは特に変わらない印象です。
4-1-2-3(4-3-3)を基本の形として、3トップの両ワイドがサイドに開いて幅を取り、相手の陣形を広げたことで生まれる中央のスペースを中盤の3人が効果的に使い、そこからパスをつないで崩したり、または中央で引きつけたりすることで幅を取った両ワイドやまたはSBが裏に抜け出してチャンスを作ります。
守備は非常にアグレッシブなスタイルで、前線からどんどん奪いに行くことで攻守においてゲーム全体を自分達でコントロールしようとするチームです。

警戒すべき3人

攻撃でまず注目したいのは中盤の三幸と佐々木になります。
4-1-2-3の場合アンカーの位置に入るのが三幸なのですが、彼が基準点となってボールを動かして攻撃を組み立てることがほとんどです。
まさにマエストロ、試合の中でレノファの指揮者のような役割を彼が担っています。
また、佐々木の方は4-1-2-3の場合中盤のインサイドハーフに入るのですが、非常にテクニックがあり、小柄ですがボールを奪われないキープ力があります。三幸より少し前でボールを受けることになるので、ラストパスやラストパスの1つ前のパスといったゴールや決定機に直結するパスを出せる、いわゆるチャンスメーカーです。
彼らが中心となって中盤の中央でボールを動かせば3トップの両ワイドはより広いスペースで得意のドリブルを仕掛けることができますし、逆に両ワイドのドリブル突破があることで中央のスペースが空きやすくなるとも言えます。
また、大外に張ったワイドの選手から中央にいる中盤の選手へパスが入ると同時にSBが一気にその間を駆け抜けていき、中盤の選手からワンタッチでボールが出て駆け抜けたSBが裏を取るという形も得意なパターンの1つとしてあるのですが、それに関しては右SBの前が注意すべき選手になります。
先に挙げた三幸、佐々木に前を含めた3人がここまで全試合スタメンで出場している選手ではあるのですが、この前に関してはSBではありますがビルドアップの際は内側に入っても違和感なくプレーできますし、3バックの時はCBも任されるような器用なタイプで、さらにオーバーラップだけでなく内側を抜けていくインナーラップをタイミングよくできる非常に戦術眼の長けた選手です。
ここのマークを誰が付いて行くのか、または受け渡すのかというコミュニケーションは特に集中して対応する必要があるでしょう。

サイドからの運び

前線からアグレッシブに奪いに行くスタイルであることや、攻撃の際は人数を掛けて攻め込むため、どうしても後ろのスペースは大きくなりカウンターを食らいやすいということは否定できません。
4-1-2-3の場合、高い得点力の反面、アンカーの脇を使われやすいというリスクが生じるわけですが、前節金沢戦はボランチを2人にしてその部分に関しては修正されていたかと思います。
だから、今節もこのダブルボランチの4-2-1-3で臨んでくる可能性が高いです。

それでも3トップの両ワイドに関して、前線から行けない時の戻る位置やポジショニングの部分に相手からすると突ける隙があるようには感じました。
4-2-1-3は4-2-3-1と基本的には同じで、ワイドの選手をFWと数えるかMFと数えるかの違いだけではあるのですが、あくまでも“3トップ”という攻撃的な意識があるからこそ、試合を見ていてもワイドの守備の位置に敵からすると突ける余地があるかもと思えたのかもしれません。
だから、新潟のSBはいかに高い位置を取れるか、そしていいポジションで受けられるかが1つのポイントになりそうな気はします。
水戸戦の前半29分の尚紀からレオへのパスのように早めにゴール前に入れていくのは有効な形になるかもしれません。

焦らず急がず

前節のJ2全チームのスタメン11人の平均年齢を調べてみるとレノファは2番目に低い24.54歳で、チーム全体を見ても若い選手で構成されています。
だからと安易に関係づけてはいけないのかもしれませんが、うまくいかない時に生まれるストレスが表情や態度に出やすい印象を受けました。
また、ビハインドになると3バックや2トップへ変更してくることがあるのですが、元々前重心気味なチームがさらに前掛かりになる分、後ろもそれだけスペースが広がるので追加点は狙いやすくなります。
勢いがある反面少しだけ崩れやすいとも言えるかもしれません。
だからこそ先手を取ることが大事ですし、こっちがうまくいってなくてもそう見せないようにある種のハッタリみたいなところを見せることで、新潟のペースに装うようにしても面白いと思います。
前節の金沢はボールは持たれてもマンツーマンで敵を離さず、攻撃では確率は高くなくても長いボールを中心にした自分達のプランを焦れずにやりきることで不意に起きた相手のミスをしっかり突き、最後には追加点も奪えていたので、新潟の場合はアグレッシブな部分は大前提にしつつ、その中でも慌てず焦らず大人な試合運びができればベストでしょう。

弟に負けるな

最後に。
やっぱりこのカードは高木兄弟の対決が楽しみな要素の1つになると思います。
今週1回練習を見に行ったのですが、その日の練習後何度もキックの感触を確かめる善朗の姿を見ることができました。
弟・大輔の前でバチンと1発、大いに期待したいと思います。