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オレラグ

叩くものであり立つもの【展望】第16節 V・ファーレン長崎戦

2020年9月1日

こんにちは。

9月に入ったそうです。
でもずっと暑いです。だから9月に入ったなんて嘘だと思っています。
よく漫才のテンプレ的なボケで「7月が暑くて8月もさらに暑いと、12月はどれだけ暑くなっちゃうんでしょう?」っていうやつがありますけど、今年は本当にこのままずっと暑いままなんじゃないかと思っています…。
嘘です。こっちは本当に嘘です。
あ、いや、9月に入ったことを嘘だと思っているっていうのもくだらない冗談です。紛れもなく2020年は9月に入って、このひどい暑さもその内きっと嫌でも寒くなるのでしょう。

中身のないことをダラダラ書いて今回は入ってしまいましたが、とりあえず伝えたいことはみなさん体調崩さぬようご自愛くださいということと、安倍さんお疲れ様でした、ということです。

首位・長崎

はい、冒頭部分は丸っと忘れてください。
2回目の5連戦の2戦目。非常に大事な大事な試合がやってきます。9月に入って最初の水曜日、ホームに迎え撃つのは現在首位のV・ファーレン長崎です。

昨年12位だったということはもうすっかり忘れていましたが、それくらい今季の長崎は開幕から好調を維持していて、単独首位に躍り出たのは5節でしたが、そこから現在までの約1カ月半リーグテーブルの一番上に立ち続けています。
2年目となる手倉森さんの下、既存の選手+二見やフレイレ、ルアンといったJ1級の新加入と毎熊や氣田といった台頭する大卒などで昨年以上に分厚くなった選手層を的確に起用しながら勝ち点を積み上げています。
8月に入って10節、12節と小休止したところもありましたが、負けた後の11節、13節ではしっかり勝つなど連敗はせず、それ以外の試合でも粘り強くしたたかに戦っていて、派手さはなくともしぶとく競り勝てている印象です。

ポゼッション向上

基本のシステムは4-2-3-1(4-4-2)です。
昨年も基本的には4バックで戦っていたものの、今季を迎えるにあたってビルドアップやポゼッションといったボール保持の精度向上を図るため3バックも併用していくということで、開幕戦と再開初戦の2節は3-4-2-1でスタートしていました。しかし3節以降、理由は定かではありませんが結局4バックに戻っており、それ以降も試合中の変更を含めてシステムは昨年からやっていた形で落ち着いています。
ただ、4-2-3-1(4-4-2)というのはあくまでも守備時のお話です。
攻撃時、ビルドアップをする際はボランチ(主に秋野)が下りてもう一方のボランチは中盤に残り、両SBが高い位置を取ると共に両SHは内側に絞って2トップの1人(トップ下)と相手のライン間を狙うというのがベースの立ち位置です。つまり新潟と似たような形でビルドアップは行ってきます。
昨年はポゼッションしながら崩していくという部分に課題を抱えていて、なかなか得点力も伸びないというイメージがありましたが、昨夏にボランチの秋野やカイオ・セザールを獲得して、彼らがすっかり中心となった今季は、この辺の課題も徐々に改善されてきているように映ります。

攻撃、特にビルドアップについて感じる特徴として、左サイドで動かすことの方が多く、左サイドの方がテンポもよく動かせている印象があるという部分です。これは恐らく左利きが多いことが関係しているのではないかと推測します。
前節の大宮戦ではスタメンのうち5人、前々節の千葉戦ではさらに1人多い6人、しかも中盤の4人全員左利きなんていうメンバー構成でした。
希少である左利きの場合、長崎の選手に限らずですが右利きの選手よりも利き足や利き足側に置いてプレーする選手が多いように思います。そして相手が寄せて来たら右腕で相手を押さえながら体が左を向いた状態でキープすることが基本になります。ある程度フリーで持てていても左側にボールを置けば自然と視線はやや左側を中心に捉えることになるので、そういったことも含めてビルドアップが左に寄る傾向があるのかなという気がします。

そんな特徴に対して新潟はどうするべきかと考えた時、まずはボールを動かすために人が集まる長崎の左サイド=新潟の右サイドを奪いどころとして定めて、そこで激しく圧力をかけることで奪ってカウンターを狙うということが1つ。
もう1つは長崎がまだ後方で持っている段階から徹底的に長崎の左サイドのコースを切りながらプレスを掛けて右に誘導させてリズムを作らせないということです。いずれにしてもできるだけ高い位置から制限をかけることが大事なのかなという気がします。

補足として、よりゴールに近いエリアまで来られた場合はそれほど左右に差はない印象です。左であればテンポよく動かしたところから左SBがスルスルっと抜け出していく形がありますし、右の場合は左で作ってから右に展開というのが多いのでよりスペースがある状態であり、スピード感や迫力はむしろ右の方があるとも言えます。右SHにも大竹や吉岡といった左利きが起用されることが多いので彼らのカットインと、それに呼応して売り出し中の毎熊が後ろから追い越してくるプレーは要警戒と言えるでしょう。

切り替えと組み立て

守備についてもいくつか。
まずは何と言っても攻撃から守備への切り替え、ネガティブトランジションが非常に速いです。この強みは現時点で首位に立っている大きな要因の1つだと思います。
また、そんな切り替えに加えてルーズボールへの反応でも同じことが言えるのですが、速いだけでなく1人目がダメでも2人目、2人目がダメでも3人目といったように、攻守の入れ替わりそうな時やどっちに転ぶか分からない局面での連動性が非常にレベル高くプレーできています。
切り替えが大事なんてことは長崎戦に限らず現代サッカーでは毎試合に通じることではありますが、それでも今節はさらに大事になってくると思いますし、特に“先手を取れずとも後手に回らない”ということが実践できるかが問われてくるかなと感じます。

次にプレッシャーの高さですが、昨年よりも少しだけ前からプレッシャーをかける頻度やタイミングが多くなった印象はあります。
とはいえハイプレッシャーを売りにしているチームではなく、4-4-2の堅固なブロック守備が特長であることに変わりはありません。
今年の新潟はしっかりボールを動かして崩す形を作れるチームではありますが、ブロックを作って構えられると攻めづらくなるのは事実です。ですから、多少相手のバランスが崩れやすいプレッシャーをかけてくる場面をいかにチャンスと捉えてボールを動かせるかという意識はあっていいかもしれません。
新潟もビルドアップでは後方を3人にするので、長崎は恐らくプレスをかける際にボールサイドのSHが開いたCBやサイドへ下りたボランチへ出てくるはずです。この出てくるSHを意図的に狙って引き出してその背中やさらに奥の裏のスペース、または中央とのギャップに入れることができれば、前へ運ぶことはスムーズになるでしょうし、そこからの崩しも画は描きやすくなるはずです。このあたりも注目して見てみたいところです。

最後に

最後に補足として、長崎は前節で言えば大宮の戸島であり、前々節のジェフ戦であればクレーベといったターゲットマンへのシンプルなボールを起点に押し込まれる展開が何度か見られました。
前節帰ってきたファビオや新加入のテセをシンプルな長いボールで使うという手も、攻撃のバリエーションとしてしっかり持っておく必要があるでしょう。

ちなみに長崎は今節から新潟、中2日で金沢、中3日で甲府の中部アウェー3連戦です。そしてそんな日程も考慮してどうやらこの1週間は長崎へ帰らず戦うようです(間違っていたらすみません)。
例えばうちがこの連戦の2戦目、3戦目なら多少遠征疲れの影響が期待できる…みたいなことも言えたのかもしれませんが、1戦目ですから特になんだかんだって言えることもないでしょう。
じゃあ別に触れる必要ないじゃんって言われたら確かにそうなんですけど、一応相手チームのインフォメーションとして書いておきました。

とにかく、大一番と言っても過言ではない一戦がやってきました。
3連勝中の首位をホームで叩く。考えることはそれのみです。
やってやりましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。