オレラグ
正しいとは一つ止まると書きます【展望】第28節 ギラヴァンツ北九州戦
こんにちは。
欧州主要リーグの移籍ウインドウが閉まる8月31日は、移籍に関する様々なネタが各地から発信、発表されるということで一種のイベントみたいになっているわけですが、今年もいろいろあった中でやっぱり一番はこの話題です。
冨安、アーセナル移籍。
やりました、贔屓にしているアーセナルが冨安獲りに成功しました。かねてからユベントスやらミランやらトッテナムやらが狙っているという噂話の中にアーセナルの名前もちらほら挙がっていたわけですが、このウインドウ最終日の8月31日にアーセナル好きへ吉報が届きました。
過去に例がない開幕から1点も奪えず3連敗という歴史的大不振にあえぐアーセナルを、どうかお助け下さいといった感じです。
そして日付替わって9月に入りました。
外は雨、気温20度そこそこ。急に寒いです。体調崩さぬよう気を付けましょう。
苦しい中の兆し
さて、夏が足早に去ったらしい季節の変わり目。
こちらは潮目を変えたいといった感じのアルビレックスが今週末ホームに迎え撃つのは、現在24ポイントで19位の降格圏に沈むギラヴァンツ北九州です。
北九州と言えば今年の開幕戦の相手でした。
思えば遠くへ来たもんだ、といった感じでしょうか。いや、あれは14歳から数年とか数十年を回顧してるのでそれに比べればたった半年ではあるのですが、とはいえうちと同じように北九州も27試合戦っていろいろあったのは間違いありません。
まず開幕から10試合でわずか1勝。
5月に初めて連勝を果たしますがそれが現状今季唯一の連勝になっています。反対に6月と中断期間を挟んだタイミングで1回ずつ3連敗を喫し、ここまでシーズンの3分の2ほどの期間を降格圏で過ごしてきています。
それでも、前々節町田相手に10試合ぶりの勝利を挙げて約3カ月半勝ちなしというトンネルから抜け出すと、その試合も含めてここ3試合は負けなしを続けており、中断が明けてからは少し明るい兆しが見え始めている北九州です。
椿離脱は痛いけど
中断明けから明るい兆しが差し込んできたのは、夏に新しく加入した2人の存在が小さくないかと思います。
大分とマリノスからどちらも期限付きでやってきた福森と椿です。
ただ新加入と言っても2人とも昨季まで北九州でプレーしていて、活躍して羽ばたいた(椿はレンタル元のマリノスに戻った)選手なので、北九州からすると昨季の主力が戻って来てくれたというのが正しい表現になるかと思います。そんな2人が再開後は左サイドのコンビを組んで躍動していました。
まず攻撃面ですが、6月頭の第17節磐田戦から7月11日の22節京都戦まで、実に7試合連続ノーゴールという極端なゴール欠乏症に陥っていた時期がありました。しかしリーグが再開してからは3試合連続でゴールを奪えており、そこを小林さんも前節の試合前インタビューで『ボールを持ったところだけでなくボールがないところの動き』も含めて手応えを口にしていました。
またそんな攻撃だけにとどまらず『ボールを奪う所も左サイドは機能している』と守備面にも確かな自信を感じていることを仰っていました。
残念ながら前々節町田戦の途中に椿が全治6週間の怪我を負ってしまいコンビは組めなくなっており、加えて右SB六平のアクシデントに伴い福森は前節から右SBでプレーする形になっているのですが、前節岡山戦こそノーゴールだったものの町田戦の2ゴールは椿が負傷交代した後のことでしたし、守備面についても前節岡山戦は6試合ぶりに完封できてもいたので、ストロングポイントだった左サイドコンビが崩れても最低限のいい流れは継続できている印象です。
ちなみに福森に関しては、昨年アウェーで対戦した際に直接FKを叩きこまれた記憶が未だに鮮明残っているということで注目・警戒すべきプレーヤーとして挙げておきました。
ビルドアップの制限
基本的な戦い方の話ですが、攻撃は小林さんになってからずっとそうであるように丁寧にボールを動かしつつ運んで崩しの形を狙ってきます。
ボランチの片方が下りつつ2CB+2ボランチが菱形のようになってビルドアップを担い、SHが絞ってライン間を狙ってSBが幅を取るために高い位置に出るというベースの立ち位置もお馴染みです。
ですから気をつけたいことも基本今まで対戦してきた時と同じような事です。
ビルドアップで後ろを3人にしてきた時、ボールを持った選手に対してFWが見るのかSHが出るのか。SHが出るならどのタイミングでどう出るのかという部分です。
開幕戦で対戦した際なんかはそこ以上に最終ラインのラインコントロールがよくなかったために失点やピンチを作られたわけですが、そのSH周りで制限を掛けきれずにフリーで蹴らせてしまったのが起点だったのもまた事実です。
うちのSHとボランチの間に北九州の2列目の選手が顔を出してくるのでまずそこを消さないといけませんし、そうすると高い位置で幅を取るSBが空きますから味方SBとの連携は不可欠です。
外側のSBに渡してワンタッチで斜めのくさびを入れたり、内側を通して2列目の選手がフリックしてSBが裏を取ったりというのは北九州の崩しの十八番ですから、この対応は肝になってくるでしょう。
逆に言うとここでしっかり制限を掛けることで、やり直しの横パスを多くさせることができれば、ボールは持っているけど恐いプレーが出せないというのは今季の北九州を何試合か見た中でも課題と感じる部分ではあったので、相手ボールの際はそういう展開、理想を言えば作り直すところで奪い切って押し込めることができればいいなと思います。
多少の強引さ求む
守備も基本は変わりません。
できるだけ前から奪うためにプレスを掛けてくるチームです。
前回対戦ではそれをうまく掻い潜ることで相手のマークを動かし、高い位置まで連動して出てくるSBの裏のスペースを活用してクロスからゴールを奪うことができましたから、今回もまずはそのサイドの裏を突くというのは狙うべきポインになるでしょう。
前節の岡山戦なんかも見ていると、前から奪いに行く際にSHが岡山の開いたCBかもしくはサイドに下りたボランチまで出て行くのですが、それによって味方ボランチとの間が広がってしまい、そのスペースにパスを通されて起点を作られるシーンは割と見られました。そこを取れればSB裏も狙いやすくなるでしょうし、もっとゴールに直結するようなルートも選びやすくなるはずです。
また、前節岡山戦の試合後に小林さんは『岡山さんも丁寧にサッカーをしてくれて助かったところはあった』ということを仰っていました。
確かに岡山はFWのミッチェル・デュークを筆頭として、いい縦パスがイメージ通りに前線やライン間に入るシーンがそれなりにあったのですが、ラストサードのところで崩すために時間を掛けてしまったり、時間を掛けること自体は悪いことではないのですが、それで結局見当たらずにサイドに渡してシンプルなクロスを跳ね返されてしまったりということが往々にして見られました。
先程、北九州がプレスに出てきた時にSHとボランチの間で起点を作ることができれば、よりゴールに直結するようなルートも選びやすくなるという話を書きましたが、そのシチュエーション以外でも最短距離というのは常に意識しておきたいですし、これはここ何試合かの振り返りにも書いていますが、ドリブルで剥がしたり運んだりする形は、やや強引でも場合によってはしっかり手札として持っておいてほしいなと思います。
最後に
これを書いている水曜日にチケット販売が停止となりました。
新潟県内に特別警報が発令されたということで、来週末含めて上限1万人での開催となります。
安全・安心とは言えず、なかなか光も見えてこないような現状で致し方ないとも思いますし、それでも1万人を許容してもらえたのはまだよかったのかなという気もします。
個人的にはワクチン2回打ちましたが、引き続きスタジアムに行く際は対策をしっかりして行かないとだなと改めて思う次第です。
本音を言えばもうこんな状況よっぱらなんですけどね。でもまあ仕方ありません。