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オレラグ

乙女より姫【展望】第9節 栃木SC戦

2021年4月20日

こんにちは。

金沢戦の翌日はビュービューバタンバタンと恐ろしいほどの強風と雨でした。さらに次の日も晴れてはいたものの1日中強い風が吹いていました。そう考えると結構な雨降りだったとはいえ土曜日に試合があってよかったのかなという気がします。

雨よりも風の方が嫌だというのは選手からもよく聞く話ですから、正直土曜日は自分自身行き帰りでびちゃびちゃになったのですが、いかにプレーに悪影響が及ばないかが最も大事なことですから、見ている自分が濡れようが何の問題もありません。いや、むしろそれでしっかり勝ってくれているわけですから、雨くらい喜んで浴びに行きます。

とにかく、調子がいいとこんなくだらないことですら書こうと思えちゃうんですから、ありがたい限りです。

噛み合う相手

さて今季初の連戦です。
上位対決を制したチームに今度はアウェイ連戦という新たなハードルがやってきました。みんなで乗り越えましょう。
そんな今季初の連戦、前節から中3日で対戦する今節の相手は栃木SCです。現在3勝2分3敗の勝ち点11で10位という位置につけています。

昨季リーグワースト4位だった得点力を改善するべく、新加入選手を多く使いながら開幕した今季はよもやの3連敗スタート。ということで昨季からいる選手を軸にしつつ栃木らしさを取り戻そうと意識し直すと圧巻の3連勝で見事なカムバック。
ここ2戦に関しては前々節の相模原にしろ前節のジェフにしろ、ポゼッションにこだわらず長いボールを多用するという栃木と同じようなプランで対峙してきた相手に対してやりづらさもあってスコアレスドローという結果が続いています。

それでもジェフ戦に関してはわざわざジェフが3バックにシステムを替えた上で栃木対策をきっちり施してきた中で、そういう相手にも負けないしぶとさみないなものを見せていました。
(ちなみにこの2戦、特に相模原戦はとにかくロングボールの応酬といった感じで、アルビレックスのサッカーを見慣れた我々的には非常にサッカーというスポーツの幅広さや表情の豊かさを感じられるのでぜひご覧になることをおすすめします。)

栃木としては3連勝した時の相手がしっかり繋ごうとしてくるチームだった分、ハードなプレスやカウンターという特長が出しやすい展開でプレーできていたので、今節の新潟なんていうのは首位であり負けなしとはいえ、まさに特長を発揮するには格好の相手という感じで自信を持って臨んでくるのかなと思いますから、我々としては厄介極まりない相手になるでしょう。

嵌るか剥がすか

少し具体的な話に移ります。

前節の金沢がある程度引き込んでカウンターを狙ってきたので、今節もちょっと不透明な部分はなきにしもあらずですが、とはいえ先に書いたように特長が発揮しやすい相手であることは事実ですから、恐らく何か意表を突いたり奇をてらったりはせずに、いつも通り前からアグレッシブにプレスは来るかなと予想します。

その際、例えばうちがボランチの1人が下りて後ろを3人にしてビルドアップしようとすれば、栃木は2トップが縦関係となり、前に出たFW(主に貴章)と両SHが外を切りながら嵌めに来る形があります。
また、ボランチが下りずに2人とも中央に残っている場合は、2トップと中央へグッと絞ったSHでまず中央への縦パスのコースを消し、そこからFWの1人が寄せに行くのを合図にボールサイドのSHも外へ追い出すように前へ出て行って、サイドに出たところを連動して出てきたSBが潰しにかかります。
こういう使い分けをされて寄せられることで、相手チームとしては結局逃げ場がなくなってその場で失ったり、長いボールを蹴らざるを得なくなって回収されたりという展開に陥るわけです。

そして振り返ってみれば昨年ホームで対戦した際も、うちのビルドアップでのミスを発端に高い位置まで出て来ていたSBに奪われて失点を喫しています。だから新潟としてはこれをいかに剥がす(かわす)ことができるのか、もしくは引っくり返すことができるのかということが問われるわけですが、そこで狙うべきポイントがSBの裏ということになります。

引き付けてから使う

SBがかなり高くまで出て来て嵌めに来るというのは、外に追い出してくるパターンが非常に分かりやすいですが、外切りでプレスを掛けてくるパターンでも連動して出てきたり、出る準備ができていたりします。
それに対してうちとしては、1つ飛ばしたパスでSBに入れたところでワンタッチを使いながらボランチへ入れて、またボランチもワンタッチで裏のスペースに送り、内側に入っていた至恩や善朗が抜け出すというのはまず分かりやすい形でしょう。
また、CBやボランチがSBに出すフリを見せることで相手のSBを引き付けておいてその裏に差し込むというのもあるでしょう。もちろん最初の方に書いた通り激しいプレスを掛けてくるので簡単なことではありませんが、十分イメージできるものではあるかなと思います。

もう1つ、これも相手を引き付けておいてできたスペースをうまく使えるかという文脈ですが、前節の金沢同様に栃木もしっかり人を捕まえる意識を強く持って守るチームです。長いボールが来ると想定できるシチュエーションなんかでは、ターゲットとなるであろう選手に柳がCBの位置から思い切ってサイドまで出て対応しに行きますし、地上戦のところでも内側に入ってライン間を狙う相手に対してはCBが躊躇なく寄せてきます。
だからこそ、それによって出来たスペースというのは常に意識して狙っておく必要があるでしょうし、どんどんそこへチャレンジしてほしいなと思います。

ボランチへの負荷

攻撃においてはやはりシンプルに貴章を目がけて長いボールを送り、そのセカンドボールを内側に絞って近い距離でサポートするSHやボランチが拾って自ら仕掛けたり、またはそこから外側のSBを使ってクロスを上げたりというのが主な手段です。

やってくることは至ってシンプルなので対策は立てやすいのですが、対策したところで押し切られてしまうくらいの強さや推進力があります。だから月並みではありますが大事になってくることとしては、1つ目の競り合いで負けないとか自由にやらせないことはもちろん、セカンドで後手を踏まないことと、拾ってから1つ2つしっかり繋ぐことで完全に自分達のものにするということが言えるかと思います。

そしてセカンドボールの争いという点で1つ気になるのが相手のボランチです。
前々節、それまで5試合連続でスタメン出場を果たしていた佐藤が負傷し、替わって前節は今季セレッソから育成型期限付き移籍で加入している松本がスタメンとなりました。
それまでも5試合に途中出場している選手ではあったのですが、やはりどうしても球際への反応や強度みたいなところで佐藤ほどのものを見せられていない印象があり、実際田坂監督もその辺を課題として挙げていました。

また、もう1人のボランチである西谷はここまでチーム3位の出場時間となっているのですが(ちなみに1位が柳で2位は貴章)、2節以降はほぼフル出場というのが続いています。
ボランチに比べてSHの方がより大きな上下動であったり瞬間的なスプリントが多かったりという違いはあるのかもしれませんが、とはいえ割と途中で入れ替えることの多いSHに比べてボランチの西谷はかなり出ずっぱりな印象です。

ボランチには中盤でのセカンドボール争いに加え、SBが前に出て行った後の空いたスペースカバーという仕事もあるので、かなりハードな働きを担っているのは間違いありません。
いくらタフな選手とはいえ終盤になれば疲労は必ず出てきますから、何度もサイドの裏に抜ける動きにトライすることでボランチにさらなる負荷を掛けることができれば、それがじわじわとセカンドボール争いにも影響を及ぼしてくるのではないかなと思います。

最後に

振り返ると昨年も第9節に対戦し(とはいえ昨年はすでに8月でしたが)、それまで毎試合得点をしていた我々が初めて無得点に抑えられたのがこの栃木という相手でした。
そして今年も同じく9節に、同じくここまで毎試合得点(しかもリーグで唯一)という状況で対戦することになります。

結局昨年は2分で勝ち切れなかった相手ですし、守備の堅さも相変わらずですから勝ち切る以前に得点を取るのも非常に難しいミッションになるでしょう。
それでも昨年毎試合得点を止められた時というのは、アルベルさんになってからの公式戦が文字通りまだ9試合目でした。しかし今回はこれが公式戦51試合目です。
昨年終盤の苦しい時期も経て、より確たる信頼と自信を持って臨むわけですから、まあ、やってくれるでしょう。

今回もベリーハッピーな結末となりますように。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。