オレラグ
白鳥は落ちない【展望】第21節 ジュビロ磐田戦
こんにちは。
今回もEURO話から。
個人的に毎回推しているイングランドがベスト8に進出しました。めでたい。
2017年にU-17とU-20という2つのW杯を制覇し、近年有望なタレントが続々と台頭しているイングランドなのですが、2018年のW杯で28年ぶりにベスト4まで行ったのに続いて、今回も順調に勝ち進んでまいりました。
しかも今回はラウンド16でドイツを破ってのベスト8ですから、これはいよいよ期待せずにはいられません。なんて思いながら準々決勝でウクライナにポコっとやられちゃうみたいなことを想像してしまうのがイングランドのあるあるなわけですが、まあとにかく楽しみであります。
大会自体はそのドイツに加えて、オランダや前回覇者のポルトガル、さらに大本命とされていたフランスも敗れるという非常におもしろく大変なことになっています。お酒なんてなくていいから誰かとあーだこーだ語り合いたい今日この頃です。
19年ぶりの7連勝中
自分は元々少なかったのであまり変化はないですが、飲みに行くのもはばかられ、そういった機会もめっきり減ったご時世。おいしいものを間に置いて誰かと語り合いたいといえばEUROに限らずこちらもそう、ということで本題です。
第21節ということでシーズンも折り返しまでやってきました。そんな今週は初訪問となるエコパにて、現在2位の磐田との対戦となります。
磐田のここまでをざっくりおさらい。
降格して今季が2季目。昨季途中から就任、というか久々に古巣の監督職に舞い戻った鈴木さんの下、今季もリーグ屈指の戦力を誇り、開幕前から昇格候補最右翼として名前が挙げられていた磐田です。
しかし、開幕戦の1分満たないうちに失点を喫してそのまま敗れると、2節も続けて敗れて連敗。序盤戦は歯車がかみ合わずなかなか思うように勝ち点を得られないスロースタートとなりました。
その後は一時4連勝もあり順位を上げますが、勝ち切れない試合も少なくなく、また失点の多さも目立つという安定しない戦いが続きます。
それでもそんな不安定が嘘だったかのように現在は怒涛の7連勝中。しかもその全てが無失点という飛ぶ鳥を落とす勢いで2位まで浮上してきました。
やっぱ強烈な個
京都ほどのアグレッシブさは感じませんし、琉球ほどのこだわりを持ったポゼッションもあまり感じないというのが正直なところです。当然タレントが豊富ですから秋田や栃木のように常に割り切った戦いということもありません。
逆に言うと、どれでもそれなりのクオリティでやれてしまうという感じで、ある意味最も抑えづらく掴みどころのない印象があります。
ビルドアップで言うと、基本3バック+ボランチの山本がアンカーっぽく残って4人が土台となり、シャドーがライン間や相手の中間を狙うのですが、場合によってはシャドーが開いて外のWBが内側に入ることもあります。
そんな中でもう1人のボランチである遠藤に関しては、外に開いてもらってみたり、後ろに下りて受けてみたり、シャドーと共にライン間を狙って立ってみたりと、ふらふらしている印象です。
ただ、そんな風に相手を見ながらその都度立ち位置を取り直してみたいなことは、言わずもがなうちもやっていることであり、特別変わったことではないのですが、磐田に関してはそういったことを意識しつつもどこかアバウトにやっている印象も感じます。
例えば間のコースを消されたらシンプルに外側へ送って突破してしまったり、立ち位置でうまく優位性を得られていなくても、それはそれとしてボール入れちゃってドリブルなりワンツーなりで突破してしまったりという、個の優位性で破ってしまえる強さを感じました。
もちろん、個の優位性を活かしやすくするために、自分にはまだ認識や理解できていない綿密な下ごしらえがあるのだろうとは思いますが、とはいえ、いまいちボール運びがうまくいかなくても、個の突破やそれで得たセットプレーによって効率よく点を取り切れているのは1つの事実としてあるように思います。
そんな磐田に対して、その個に対抗できる戦力がうちにも揃っているという自信はありますが、当然攻撃される回数を減らした方がいいに決まっていますから、高い位置からのプレスによって出所を抑える意識が重要になってくるのかなという気がします。
これまでの試合を見ていると、相手の順位や調子なんかはあまり関係なく、積極的に前からプレスに来られた時に3バック+ボランチの組み立ての段階でちょっとしたミスというのが、序盤戦に比べると減りはしましたがそれでもまだまだ散見されました。
そこで奪い切る、もしくは苦し紛れに出させて回収し、先手が取れれば理想かなと思います。というか今季磐田は先制した13試合全勝というデータもあるそうなので、やはり先手を取るというが勝利のためにはマストかなと思います。
それでも、矛盾するようですが先制されたとてデータは過去の話に過ぎませんから意識し過ぎる必要もないわけですが。
やっぱヤット
波に乗った1つのきっかけとして挙げられるのが、今年41歳、つい最近Jリーグ通算700試合出場という前人未到の記録を打ち立てた遠藤の存在です。
今季開幕から5節まではスタメンとして出場したものの、6節以降ケガの影響もありしばらく欠場が続きました。その間に一応連勝もあったりしましたが勝ち切れない試合もあり、そんな中でベンチメンバーに復帰して2試合目の13節秋田戦。前半秋田のハードスタイルな戦いにチャンスどころからビルドアップすらままならなかったチームを途中出場で蘇生し、何とか勝ち点1をもぎ取る原動力となります。
さらに次の群馬戦では自ら決勝点を挙げる活躍によって3試合ぶりの勝利に貢献すると、結局その試合から遠藤が全試合スタメンとして名を連ねた磐田は先程書いた通り完封による7連勝を達成するに至りました。
攻撃面においてはまさに秋田戦が分かりやすかったのですが、難しい事はしないけれど、極力少ないタッチでボールを動かすことによって相手を動かし、そうして自分達のリズムも作り出すという効果をもたらしているように思います。
ただ、それと同じくらいかもしくはそれ以上に、ボールを失わない、チームのテンポを作ってくれる明確な落ち着きどころができたことによって、うまくいってない時間帯も上手に乗り切ったり、受け流したりできるようになった印象があり、そういった意味で連続無失点という守備面の貢献も大きいように感じました。
要注意選手として挙げるにはあまりに定番すぎますし、そもそも直接FKを除いて1人で何かをやり切るタイプでもないですから、彼を潰したところでより前目にいるタレント揃いなアタッカーの脅威があるので、対戦相手としては非常に難しいところではありますが、今の磐田にとって特に不可欠な存在であり、うちの中盤との駆け引きなんかも見所という意味も含めて注視しておきたいところかなと思います。
最後に
最後にと言いつつちょっと付け足しとして、磐田の守備に関してはプレスに来ることもありますが基本はコンパクトにミドルサードで構えることが多い印象なので、組み立ての段階でどうにもこうにもいかないと苦労する可能性は高くないかなと思っています。
いつも通り自信を持って、失い方とカウンターだけしっかりマネジメントしつつボールを動かすことができれば、十分に複数回のチャンスを作り出すことはできるような気がします。
また、予想スタメンには大井を入れましたが、前節少し負傷もあって途中交代していたのでここは流動的になるかと思います。
ただ仮に欠場でも今野や山本義など十分過ぎるバックアップがいるのであまりうちにとってラッキーみたいなことはないでしょう。
さらにDFラインの話ついでにもう1つ触れておくと、今節を最後に伊藤がドイツのシュツットガルトへ移籍ということで、試合後には壮行セレモニーも行われるそうです。
これは昨年も書いたかもしれませんが、個人的にはイギョラカップで初めて見た高2の時のインパクトが未だに鮮明にに残っており、それもあってそこからずっと期待していました。だからぜひともドイツで活躍してさらにビッグな選手になってほしいなと思うのと同時に、切りよく6月で旅立っちゃってよかったのにと思わずにはいられません。
磐田からするとアカデミー育ちの生え抜きが欧州へ旅立つ門出のゲームということになるのでしょうけど、それはそれ、これはこれ。こちとら関係ありませんから遠慮なく叩きにいくのみです。
さて、早いのか遅いのかという感覚は人それぞれだと思いますが、確かに1年の半分までやって来ました。
ロケットスタートからの停滞。その間に磐田と京都の猛追によって予想していたよりもハイペースな昇格争いにここまではなっています。
そんな過酷なレースの中で、ライバルの勢いを助長させるわけにはいかないというのはもちろんのこと、それを止めることによってオセロの白黒が引っくり返るように今度はうちに勢いが生まれるかもしれません。
今節、大一番と言っていいでしょう。やってやりましょう。