オレラグ
ぐるぐる回る声と心【展望】第39節 愛媛FC戦
こんにちは。
すっかり風も強く冷たくなり一層乾燥するようになってきました。まあ東京なんかと比べれば全然マシだというのは関東にいた頃に実際感じたことでもありますし、最近の日報抄にもそんな風なことが書かれていたりもしたのでその点はやっぱり新潟がいいなと思うわけです。もちろんあっちにはあっちの良さがあるわけですが。
そんな乾燥する季節に入った先日、薄い紙で指を切って赤い血が滲む、という出来事がありました。
非常に小さくて地味なことではあるものの普通に痛いし何だかテンション下がってしまうやつです。でもそれと同時に個人的には大好きな曲の歌詞と同じ事象が起こったという意味でちょっと嬉しかったりもしました。そしてこれはその事象に巡り合うたびに思い出すのです。
マイナスだけどマイナスじゃない、みたいなことって世の中それなりにあるような気がしています。
できることならそういうことが多ければ多いほどいいなと思いますし、それにちゃんと気付けるようにいたいなと思った先日の話でした。
胴上げから7カ月
だから何だよオブザイヤーをいただけそうなくらい何でもない話を書いてしまいましたが、これ別に後で回収したり何かのフリだったりするわけでもないんですからびっくりですよね。
本題いきましょう。
ホーム戦もあと2試合。
この後アウェー連戦ということなのでこれが11月ラストのホームゲームという事になります。そんな第39節は前節の松本に続いて残留争い真っ只中にいる現在20位の愛媛FCとの対戦です。
今季J2で最も早く監督交代が行われたクラブであり、そんな途中就任の實好さんが率いて3試合目というタイミングが前回対戦の第10節でした。
スコアは2-1。
今やチーム得点王であるカイトの初ゴールと、1人少ない中でさすさがのドリブルから至恩が決めた追加点により勝利したわけですが、何より途中出場から退場してしまった三戸ちゃんが試合後に胴上げされたのがその日のハイライトでした。
ここ最近は小見が積極的なプレーで躍動し始めてるわけですが、それを考えるとこの1年で三戸ちゃんはずいぶん頼もしい存在になってくれたなと感慨深くなります。
そんなこっちとしては思い出深い前回対戦以降の愛媛についてですが、苦しい戦いが続きました。
成績で言うと28戦で5勝10分13敗。
2連敗が2度と3連敗が1度なのでそれほど大幅に崩れたという時期はなかった印象ですが、逆に言うといい試合はできていても勝てないとか、接戦にできても粘れずに落とすという事が多かったということでもあるかと思います。
自分達の形は持っている
ここからはもう少し中身について。
まず前回対戦時は4バックだった愛媛ですが、19節の北九州戦からは3バックをベースに戦うようになっています。ただこれに関しては元々昨年まではずっと3バックでやっていたチームなのでそれでどうこうということもないですが、とりあえず前回からシステムは替わっているよということです。
戦い方としては、試合の入りこそ長いボールを入れてきますが基本は丁寧に繋ぎたいし繋ごうとするチームです。
3バック+2ボランチの内の1人がアンカー的に残った4人で後方を担い、シャドーともう1人のボランチが相手のライン間や中間のスペースを狙うという形です。
また相手の形や出方を見つつ、例えばシャドーが下りるのと入れ替わるように後方のボランチが前に出てギャップを狙ったり、WBが少し下がって相手のSBを引き付けておいてシャドーが抜け出したりという連携はしっかり共有できている印象です。
だからこそ4節前も磐田相手に落ち着いたビルドアップから運び出して中央を崩してゴールを奪うこともできていました。
自分達の形を出せれば非常に面白く効果的な攻めが出来るチームと言えるでしょう。
その反面、3節前の京都戦や前節の町田戦なんかのように、相手が前から強く圧力を掛けてビルドアップのところにも激しく来られたり制限を掛けられたりするとどうしても長いボールが多くなって回収されるシーンは多く見られました。
いかに早い段階で自由を奪えるかは注目したいところです。
大崩れしない守備に手応え
前々節愛媛と対戦した金沢のヤンツーさんは試合前のインタビューで『守備の時は今まであった隙間が随分なくなっている』と愛媛について仰っていました。
また引き分けに終わったものの一時は逆転までこぎつけた磐田戦の後に選手から『1点取られても我慢できるようになった』というような言葉があったそうで、ここ最近手応えを感じているのは守備面の方だと言えそうです。
基本的なところで言うと、前線3人がまず相手のボランチのラインに立って消すところから、1つ2つ繋いだところでじわじわ前へ寄せて行くという感じには見えます。
やや高めのライン設定とある程度前から制限を掛ける印象があり、そこに関しては問題なくやれているようです。
そんなわけで結局問題は自分達のビルドアップが上手くいかない時の対応という部分になってくるのかなと思います。
失点こそせずに済みましたが前節の町田戦も相手の圧力に屈して失って押し込まれてピンチになるケースは多々ありましたし、ビルドアップとは少し違いましたが、金沢戦も自陣でのスローインからの繋ぎで奪われてそのままミドルシュートを叩きこまれてもいました。
ただ前節の町田戦がそんなかなり厳しい内容になったことで、試合後の選手のコメントには『繋ぐのか蹴るのかもっとハッキリしなければいけなかった』とか『繋ぐことも大事なのも分かるけど…』といった言葉がありました。
ですからもしかすると今節は多少自陣で失うリスクをいつもより避けるような感じに戦ってくるかもしれません。
加えてうちの戦い方を見越せばそれが対策にもなると考えてくるのも自然なように思います。
そして、比較するのは違うかもしれませんが、前節我々が対戦した松本よりもブロックを敷いた際の守備は粘り強くやれている印象ですし、また先制した試合は7勝6分1敗でその唯一の逆転負けは前々節の金沢戦が初めてで、それまでは先制したら無敗を継続できていたということでしたから、当たり前と言えば当たり前ですが是が非でも先制点は欲しいところです。
少なくとも前節のようなことはくれぐれもないように気を付けたいところでしょう。
注目兼警戒兼推し
注目選手は川村です。
チームで3番目に多い出場数と出場時間を誇り、ビルドアップからチャンスメーク、時にはフィニッシュにも絡んでくる紛れもない攻撃の軸となる選手です。
昨年ホームで敗れたゲームでも彼の動きに翻弄されたこともありましたから、やっぱり彼に注目、警戒しておく必要があると思い挙げてみました。
ただそれと同時に個人的に好きな選手だからという意味で注目というのもあります。
レフティーで技術が高く常に落ち着いてプレーできる彼は個人的に広島ユース時代からずっと推しの1人ではありましたが、今季の25節北九州戦。自らのパスミスから失点を喫し、さらに終盤絶好のチャンスを外して勝利を逃した試合後に人目もはばからず涙する姿がありました。それでもその次の試合で彼は決勝点を上げてチームを7試合ぶりの勝利に導くという一連のストーリーを見てより推したいと思うようになりました。
もちろん今節は静かにしていただきたいと思いますし、うちがしっかり抑えてほしいなと思いますが、そんな選手もいるということを書きたかったので書きました。
最後に
データ的な話で締めましょう。
愛媛が今季ここまで挙げた7勝の内、実に6勝がアウェーで奪った勝利のようです。
さらにアウェーの対新潟で言うとなんとここまで3戦3勝ということで、何ともうちとしては悪いデータが揃っています。
まあただデータは占いみたいなものです。
いいものは信じればいいし、悪いものは気にしなければいいのです。
やってやりましょう。