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後ろは向こう側でありその奥側【戦評】第41節 FC琉球戦

2021年11月30日

こんにちは。

毎試合の展望と雑感を書いているこちらよりも一足先に、見所の部分を担当しているAlbiWAYの今季全21号が発行完了しました。
ここで言うのもなんですが、作成にご協力いただいた方や現地で配布していただいた方、そしてお手に取っていただけた方、みなさんありがとうございました。

こっちで書いている展望が本当に好きな事やどうでもいい事を自由にダラダラ書かせてもらっているだけなのに比べて、AlbiWAYの方はちょっとカチッとしてやろうというのが自分の中ではあるので、その分だけこの内容で大丈夫かと思うことや、記事を送った後にもあれでよかったのかと自省することばかりでした。
そういった意味ではお世話になっている方々を始め申し訳ない気持ちが強いのですが、それを言ったところでどうしようもないので、すみませんという意味も込みで改めて今年もいろいろとありがとうございましたという感じです。

そんな今季のラストアウェー。
選手・スタッフ、そしていつものように数多くのサポーターが乗り込み、自分はそのAlbiWAYの文章に気持ちを乗せて臨んだ琉球戦だったわけですが、今回はそんな我々に加えてなんと梅山さんも沖縄遠征にやってきました。
いや別に応援しにいらっしゃったとかではなくてれっきとした解説というお仕事で来られていたというだけの話なのですが、沖縄のスポーツ実況といえばでお馴染みのあったさんとのコンビはなかなか新鮮でおもしろかったです。

うちに限らず地方クラブの実況解説をこんな風にミックスするのは今後もたまに見てみたいななんて思いました。

スタメン

試合について触れないままの冒頭になってしまいましたが、改めて結果は1-1、ドロー。またもや勝ち切れなかった印象の悔しい引き分けとなりました。
とりあえずスタメンからおさらいです。

まずうちの方ですが前節から3名の変更ということで、左SBゴメス、ボランチ島田、右SHカイトがいずれも2試合ぶりのスタメンとなりました。
またベンチには27節以来実に3カ月ぶりとなる小島がメンバー入りとなりました。

対する琉球の方は前節から赤嶺がベンチスタートとなり、茂木が3試合ぶりに左SHとしてスタメン起用。それに伴い最前線は清武が務める格好となりました。

素晴らしい運び出しだからこそ

相変わらず今節も自分達がやろうとしていることや、やりたいことというのはある程度やれていたと言っていい試合だったのではないでしょうか。

珍しいアウェー戦解説となった梅山さんも、この日新潟がいい感じなのは『ワンタッチが多い』という部分を挙げていらっしゃったように、立ち上がりから少ないタッチでテンポよく動かしながら押し込み、カイトのミドルや三戸のミドルなど積極的にシュートを狙うシーンもいくつかありました。

とはいえ試合を通じて1点しか奪えなかったということで、気になった部分を作っていただいた図と共にちょっとだけ。
前半20分のシーンです。

恐らくこの日初めて島田がハッキリ後ろに下りて3人でビルドアップし始めたシーンだったかと思います。
右に開いて受けた千葉が相手2トップの脇から少し持ち出して縦パス。
相手のボランチとSHの間に入った三戸が受けてダイレクトで落とし、これを前向きで受けたヤンもダイレクトで縦パス。
すると三戸に対して出てきた風間宏希の背中に孝司が下りて受けて落とし、それを今度は先程縦パスを受けて落とした三戸が前向きの状態で受けて……という一連の流れでした。

相手の綺麗に揃ったブロックの間、間に入りつつ、連続したワンタッチによるプレーで相手に奪いどころを与えずに運び出す良いシーンではありました。
しかしそれと同時に背後への動き出しが欲しかったというのが、このシーンを含めてその他でも多々感じられるところではあったので、運び出し自体はとてもよかったからこそこのシーンをその象徴というか代表として今回はピックアップしてみました。

じゃあどういう可能性があったかと考えてみると、まずはヤンから孝司へ楔が入った時点で寄せに来ていた李栄直の裏に善朗や右の巧が反応して動き出し、三戸からのパスに抜け出すというのが1つあるでしょう。
また、いっそのこともう1つ早いタイミングで、千葉から三戸へ入れてヤンへ落とす流れの中で孝司が受けに下りる動き出しと入れ替わるように裏へ抜け出すというのもアリだったかもしれません。

より大胆なアクション

例えば相手陣内に押し込んだ状態からそれを打ち破るために誰かがフリーランニングしたり、もしくは3人目の動き的な感じで深い位置へ抜けたりする試みはそれなりにあったかと思います。

ただ、HTに梅山さんが『スペースへのランニングが欲しい』『中間で受けようとする選手が多い』ということを指摘されていたように、押し込むよりも前の段階、より相手の背後にスペースがあるタイミングでもっと抜け出そうとするアクションがあってよかった、というかあってこそさらにボールは動かしやすくなるでしょうし、それが=より決定的なチャンスを作りやすくすることにも繋がるのだろうと思います。

逆に言うと孝司が『今年一番のゴール』とコメントした同点弾のように、GKの航斗を起点に流れるような美しい展開でゴールを陥れるだけのイメージや技術を共有できているチームなわけですから、スペースへの動き出しがあればあそこまで完璧でなくともゴールチャンスはもっと作れるはずだろうとも感じました。

また、これはちょっとついでにということで付け足しの話になりますが、さっき押し込んだ状態からのフリーランニングや3人目の動き的な抜け出しはそれなりにあったと書きましたが、こちらはこちらで改善の余地があるとも感じました。
それはサイドからの仕掛けの際に逆サイドの選手が斜めに抜けて絡むシーンがあっていいなということです。

この日のSHは右にカイト、左に三戸でスタートしましたが、もちろん2人とも惜しいシュートがあったり効果的なチャンスクリエイトで存在感を示したりしていましたし、スポット的にサイドを入れ替えてプレーすることもありました。

それでもどちらも自分がいるサイドから中央へ入ってプレーするということはあっても逆まで来て崩しの局面に絡むということはほぼなかったかと思います。
そもそもそこまで行かなくていいということもあるのかもしれませんし、チームとして求められているものではないというだけの話なのかもしれませんが、押し込んだ状態であれば思い切って逆まで入ってサイドやペナルティエリアの深い位置に抜ける動きなんかがあってもいいのかなと感じました。

まあこれは前日にアーセナルの試合を見たからというのが多分にあるのですが、アーセナルも堅い守備を敷くニューカッスルに対して決定機を作りながらも決め切れないまま時間が過ぎるという展開を強いられていました。
そんな中で右SHのブカヨ・サカが左の深い位置まで入ってボールを受けると、左SH、トップ下、そして内側に入った左SBと絡んで守備網を突破してゴールを奪いました。やはり相手からすると逆の選手まで絡んでこられると対応は難しくなるわけです。

うちも押し込むところまではよくできるわけですから、そこから先はそういった大胆なアクションがあってもいいのかなと思いました。

守備を学びたい

失点に関しては、せっかくゲームを支配していい形も随所に作れていた中だったのでやっぱりもったいないなという印象です。

個人の対応の仕方という面で至らない部分が出てしまったということもあるでしょうし、そもそもチームとしてボールを動かされたり揺さぶられたりした時の連動といった部分でも課題が出たと言えるのだろうと思います。

HTコメントで『スライド、選手間のスペースを埋める事』というアルベルさんの言葉が紹介されていましたが、前々節の愛媛戦でも同じく横に動かされたところでサイドの選手への対応がやや遅れてしまってピンチを作られ、やはり同じようにHTに『スライドの距離感』という言葉が出てもいました。

基本的に前から奪いに行くとか、出し手に素早くアプローチするというのは前提としてあっていいというか大事にすべきことだとは思うのですが、出し手のところに遅れるなら遅れるとして、その時はある程度後ろに構えて迎撃する態勢を意識しておいてもいいのかもしれません。

サイドを替えられないようにとか展開されないようにということで、コースの切り方とかポジショニングを意識して守っていても、それでもやっぱり人が走るよりもボールの方が速く動けるのは当たり前なわけで間に合わないシーンが起こるのも仕方ないわけですから、柔軟に尚且つ割り切りも含めた対応ができてもいいのかなという気がします。

なんて書きつつそういう問題じゃないのかも、と何となく思わないこともないわけですが、だからやっぱりこれから相も変わらずサッカー勉強しようと思いました。

最後に

今節が終わって昇格の2枠は磐田と京都で埋まりました。
また下を見ると松本と愛媛の降格が決定し、北九州もほぼ決定といった感じになりました。

いろいろなことが決まり始めていよいよクライマックスを迎えます。
各クラブに大なり小なり様々な悲喜こもごもはあったでしょうけど、そんな2021年も残るはあと1試合です。

週末にリーグ戦が待っているラストウィーク。
風邪引かないように温かくして過ごしましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。