モアブログ
【番外編】 こどもが行きたくなるスタジアムに
こんにちは、古俣と申します。いつもホームゲームには、夫と小学3年生の娘と、3人で行っています。今回はピンチヒッターということになりました。よろしくお願いします。
私の子どもが「もうスワンには行きたくない」と言い出したことを書きます。
きっかけは、8月の天皇杯の試合でした。たまたま、私たちのうしろに座っていた2人連れの女性が、選手の揚げ足を取るかのように、文句を言い続けていました。
「シュート枠に飛ばすぐらいやれよ!」とか
「ほらまた取られた!まじめにやれよ!」とか
ひっきりなしに聞かされました。気にしないようにして試合を観ていましたが、その声は試合が進むにつれて大きくなっていきました。
子どもはアルビが負けてしまったこともあって、とても落ち込んでしまいました。
ところが、次の週末のリーグ戦でも、また後ろの席に、天皇杯とは別の方々ですが、同じように、揚げ足を取るようなことを大きな声で言い続ける方がいらっしゃいました。
その試合も、アルビは負けてしまいました。私と子どもは、スタンドの下の方に降りて行って、応援しているよと選手に声をかけました。でも、たくさんの人の野次にかき消されてしまい、選手には伝わらなかったかもしれません。
子どもは「サポーターなのになんで応援しないの!」と怒りました。
「うまく行かないときこそ応援が必要なんじゃないの」と。
その怒りと、大勢の人の怒った顔の恐怖があって、「もうスタジアムに行きたくない」というふうになったのでした。「テレビ中継を観て応援するからもういい」と。
アルビの調子がよくないから、なかなか勝てないから、というのも、あるかもしれません。が、応援はそれだけではないと思います。
子どもが言ったように、応援というのは、調子の良いときよりも、うまく行かないとき、選手が落ち込みそうなときのほうが必要なのです。アルビのサポーターは、何度も苦しい時期を乗り越えていますから、そういうことは分かっていると思っていました。だから、子どもは絶望したようです。
私は、しばらくスタジアムに行けなくなることも覚悟しました。
しかし、タイミングよく、エスコートキッズに応募する機会がめぐってきたので、応募しました。そのため、ホーム仙台戦は、行くことができました。
次のホーム浦和戦は、奮発しまして、ピッチサイド砂かぶりシートに行きました。
そのこころは、ほかのお客さんがたくさんいるスタンドから離れて、サッカーを観ることに集中させてみようということでした。
試合は負けてしまいましたが、迫力があっておもしろかったと言っていました。ちょっとだけサッカーを習っているので、自分がボールを扱う感覚と比べることもしていました。
また、もう一つ狙いがありました。試合前の守田ダンス、マツケンダンス、選手入場時に広げられるビッグフラッグ、ビッグジャージも、下から見ました。
アルビのサポーターは、ひどいことばかりを言う人たちではない、ちゃんと応援している、というところを、見せたかったのです。
アルビのことをあきらめないで励まし続けるように、サポーターに対しても、あきらめないでほしいと思いました。
子どもに私の狙いが、どれぐらい理解されたか、よく分からないですが、あまり追求すると、かえってよくないかもしれない。
だから、何となくまたスタジアムに行くのが当然という流れを作ってみたいと思います。
古俣 今日子
1978年生まれ。新潟市で育つ。進学のため県外に移るが、アルビJ1昇格初年度に帰る。現在は関西人の夫と愛知県生まれの娘とスタジアムに来て、けっこと本気で応援している。