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オレラグ

強気に【展望】第17節 ジュビロ磐田戦

2020年9月5日

こんにちは。

9月に入ったというのに40度です。どうかしています。
2週間後にはもうデーゲームが組まれているということにいささかの不安を感じてしまうような暑さが連日続いていますが、天気予報を見るととりあえず来週の水曜日くらいから30度を切りそうな感じなので、あともう少しの辛抱といったところでしょうか。

J1レベル

これ以上ないくらい当たり障りのない天気の話題から冒頭入ってみましたが、前の試合から3日しか経っていませんから特におもしろいことも書きたいこともなかったので、さっさと展望に参りましょう。
中2日で迎えるホームの連戦。首位の次に迎え撃つ相手は現在6位のジュビロ磐田です。

昨年J1で最下位となり、2015年以来のJ2での戦いとなった今季。
カミンスキーや田口、アダイウトンに川又などなかなかの大物選手達が移籍で抜けたところから始まりましたが、昨年途中から指揮を執るフベロさんのスタイルに合うような選手、例えばレンタルバックの小川航や伊藤、さらにFC東京から加入した大森などを揃えられたことで、むしろ昨年より強力になったとさえ言えるような陣容で開幕を迎えました。
開幕戦はその帰ってきたエース小川航の2ゴールによって幸先よくスタートしましたが、中断明けの京都戦で敗れると、以降は勝ったり負けたり引き分けたりと波のある戦いが続きます。6試合連続失点の守備をテコ入れするため、それまでやっていた4-4-2を13節から3バックへ変更して2試合連続の完封で、しかも14節の金沢戦では6-0の大勝と、いよいよ勢いに乗るかと思われましたが、ここ2試合はまた連続で2失点を喫して結果も引き分けが続いています。
なかなか好循環のサイクルに乗れないものの、しぶとく勝ち点を拾いながら混戦の第2集団についていっているというのがここまでの大まかな流れです。

むしろ恐いのは長いやつ

標榜するスタイルですが、まず攻撃で言えばボールを自分達が持つことでゲームの主導権を握ろうとするチームです。これはここまでのポゼッション率がリーグ2位であることからも窺えます。また守備に関しては、できるだけ高い位置からプレスを掛けたり、ボールを失った際は瞬時に切り替えて素早く奪い返したりということを目指しているようです。

攻撃面、主にポゼッションの部分からまず掘り下げてみますが、現在基本としている形が3-4-2-1なので、3バック+2ボランチのどちらか1人がアンカー的になり、その4人で後方部隊を担います。そしてWBが幅を取り、アンカー的に残らない方のボランチ+シャドーのどちらか1人、もしくは2人両方が中央のライン間でボールをもらうことを狙うというのがベースです。
また、試合の序盤だけリスクマネジメントのために長いボールを蹴るというのはどのチームでも定石としてよく見られますが、磐田に関してはポゼッションを志向しているとは言いつつ、細かく繋ぐだけでなく裏のスペースやサイドチェンジを狙う意図で長いボールも多用してきます。場合によってはそっちの方が脅威に感じられることもあるので十分注意です。

新潟としては、あまり自由に長いボールを蹴らせないためにも、そして前々節群馬戦ではビルドアップでのミスから失点を喫するなど、丁寧に繋ぐ部分に不安定な部分があることも否めないので、それらも踏まえるとやはり前から取りに行くのが得策と言えるでしょう。
システムが違う分、マッチアップにギャップが生まれやすいわけですが、京都戦の戦評でも少し触れた2トップが縦関係になり、SHも少し中に絞ってCBやWBに出られる状況を作ることで、3バックである相手のビルドアップを止めたいところです。このあたりの駆け引きも楽しみポイントの1つでしょう。

気を付けたいお二方

攻撃に関して警戒すべき選手として、予想に入れたシャドーの2人を挙げておきます。
まず大森はシーズン序盤、彼がスタメンで出れば勝って、スタメンじゃないと勝てないというのが何試合か続くくらい、新加入ながら大きな影響力を及ぼしていた選手です。中盤内側の狭いエリアで受けたり、サイドのスペースで起点を作ったり、はたまた自らゴール前に入って決定的な仕事をしたり、最近は少しずつ改善され始めてはいますが、それでもまだ攻撃は大森次第と言えるくらいの存在感を見せています。

もう1人、ルキアンも恐い選手です。
ちょっと野球の話になりますが、DH(指名打者)についてある選手が“DHとして打席だけ入るよりも普通に守備に入った方がリズムが出て打撃もよくなる”という話をしているのを見ました。ルキアンもイメージとしてはそんな印象の選手だと勝手にですが感じています。
ゴール前や前線中央でドシンと構えてポストプレーヤー然としているよりも、サイドに流れて起点を作ったり、守備でもサボらずしっかり戻ったり様々な役割をこなすことで動きの質がよくなるような印象で、最近2トップからシャドーの位置に少しポジションが下がったことでこの辺の特長もより活かせるようになっている気がします。
さらにここ2試合は完全な個の力でゴールやゴールのお膳立てをしているように、圧倒的な推進力というのも持ちあわせています。マウロや舞行龍とのマッチアップはこの試合のホットスポットになりそうです。

前から来ればどこかが空く必然

次に磐田の守備面のお話。
できるだけ前からプレスを掛けてくると書きましたが、まずそのスイッチを入れるタイミングとしては相手がバックパスした時や、自分達が蹴った長いボールをカットされた時が基本です。
そして、新潟のビルドアップもボランチが1人下りて後ろを3人にすることが多いですから、恐らく1トップ2シャドーの3人でそのまま抑えに来るかと思います。
また例えば、相手の1トップに対しては2CBで数的優位ができていますから新潟がボランチを下げずにそのままビルドアップをする場合でも、磐田はシャドーの1人が前に出て、それに伴い前へ出たシャドーに近いWBも前に出ると、反対にもう1人のシャドーは後ろに下がって可変的な4-4-2みたいな格好になることもこれまでの試合を見る限り予想されます。

これらのプレスに対して、まず後者の可変的な形で追ってくる場合はシンプルに出てきたWBの裏のスペースを狙うのが新潟としては最適でしょう。FWが流れて起点を作ると共にCBを釣り出し、その間にできたスペースにSBやSHが走りこむという形は鮮明にイメージできます。
そして、最初に書いたような後ろを3人にすることでそこへ磐田の前線3人がそのまま嵌めにくる場合ですが、こちらは前節のヴェルディ戦が参考になりそうです。磐田がプレスを掛ける中でアンカーとして中盤にいたヴェルディの選手に対して磐田はボランチの1人が連動してプレスを掛けていました。
そのため後ろに残ったボランチはDFラインの前にできた大きなスペースに1人だけとなってしまい、その脇に出来たスペースをヴェルディはうまく使ってチャンスを作っていました。中島や至恩が同じように躍動するのも十分想像できます。大いに期待したいと思います。

お互いのビルドアップとそれに対する前線からの守備というそれぞれの駆け引きはこの試合において特に興味深く楽しみな部分と言えそうです。

不可欠な男

補足として、警戒すべき選手を先に2人挙げましたが、もう1人重要人物として15番の伊藤も紹介しておきます。
188cmの長身でありながら左利きで繊細なボールタッチができて、本来はボランチの選手ですが最近は3バックの左CBを務めているという選手です。
ポゼッション志向とはいえ、長いボールを使った攻撃の方がむしろ脅威に感じられることがあると書きましたが、それは彼が正確で鋭いボールを最後尾から蹴る事が出来るからです。もちろん短いパス、グラウンダーのパスも一級品ですし、機を見て自ら持ちあがったり強烈なシュートも放ったりできます。

確か高校3年生になる直前の春休みの頃に彼を初めて見たのですが、ユースの試合に1人だけ大人が混じっているような錯覚を覚えるくらい衝撃だったのをよく覚えています。
そしてそんな個人的なインパクトだけでご紹介したわけではないということは、今季ここまで全試合出場で、中断明け以降の15試合ではチームで唯一全試合フル出場していることからもご理解いただけるかと思います。
今の磐田で最も欠かせない選手と言っても過言ではない伊藤に警戒しつつ注目していただければと思います。

最後に

今節磐田は山田が出場停止ですがそれほど大きな影響はないでしょう。それは彼の実力がどうこうということではなく、補えるだけの厚い選手層があるということです。
今季金沢からマリノスに引き抜かれたものの、出場機会を求めて今夏磐田にやってきた山本義道も前節初出場を果たしており分厚い戦力はさらに増しています。

強敵であることに間違いありませんが、今季の新潟ならどこが相手でも自信を持ってやれれば問題ないとも強く感じています。

勝ってやりましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。