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オレラグ

猛追を始めよう【Preview】第22節 横浜FC戦

2019年7月12日

こんにちは。
先週からちょいちょい報道で出ていましたが、ほんとうに移籍しましたね。
中村俊輔、横浜FCへ完全移籍。
「せっかく移籍したのになんで横浜FCと対戦するの今節なんだよ〜」という気持ちと、
「戦力的に考えれば、そりゃ出るより出ない方が新潟的にはありがたいからまあいっか」という気持ちとで複雑に揺れております。ただ、どうせ移籍したのならやっぱり見たかったという気持ちが申し訳ないですが強めです。
まあ、いくら心が揺れようが今節は出られないわけですから、俊さんがいないうちにちゃんと叩いておかないといけませんね。
あと余談ですが、いち俊さんファンとしては、とにかく1日でも長くこれからもプレーしてほしいなと願うばかりです。

似た立ち位置の両者

さて、本題へ入ります。
改めて、後半戦最初の相手はそんな俊さんの加入が決まった横浜FCです。
前半戦では第4節に対戦し、終了間際の劇的なカウエ弾で勝利しています。
ただ、当然ですが前半戦の勝利が今週の勝利を保証してくれるわけではありません。その時とはお互いに監督も代わっていますし、チーム状況もいろいろ変遷しています。
それでも興味深いというか面白いのは、お互いに変遷しながらも8勝6分8敗と星勘定が偶然にも全く同じで、さらに失点数まで同じです。
さらに、似ているのは前半戦の成績だけでありません。
現在2連勝中で、しかも2人の助っ人外国人(新潟=レオとフランシス、横浜=イバとレアンドロドミンゲス)が上り調子なのも境遇としては重なります。
イバとレアンドロドミンゲスが調子を上げているタイミングで当たるのは厄介だな、とここ数試合を見て感じましたが、ひょっとすると向こうも新潟に対して同じようなことを思っているかもしれません。

システム変更

先にも述べたように横浜FCも新潟と同じく監督を代えています。
13節終了時にタバレスさんを解任し、14節以降はそれまでヘッドコーチだった下平さんが監督に就任しました。
1試合平均の勝ち点はタバレスさんの時が1.15(13試合)で下平さん就任以降は1.75(8試合)ですのでとりあえず効果は出ているようです。

監督交代があれば当然何かしら変化があるわけですが、下平さんになってからシステムが変わりました。
タバレスさんの時は基本3バック(3-5-1-1、3-4-2-1)を採用しており、試合開始から4バックだったのはおそらく12節の京都戦だけでしたが、下平さん就任以降は4バックが基本の形となり、ここまでの8試合は全て4バックで臨んでいます。
元々可変っぽくしていたり、試合の途中から4バックに変更したりすることもあったので全く新しいことではないですし、基本の形が変わったからといって戦い方もガラッと大きく変わったかと言われれば別にそんな感じではないのですが、下平さんが就任以降はそれ以前よりもボールをしっかりつないで運ぶ意識が強くなったように感じました。

整理されたビルドアップ

タバレスさんの時からポゼッションをする時はしていましたし、下平さんになってからもやっぱり最大の脅威はイバ、レアンドロドミンゲスが軸となるカウンターであることは否めませんが、それでも、4バックにしてからは以前よりも人の動きやボールの動かし方が整理されてオートマチックになった気がします。
それによって、ボールは持っているけど縦に入れられず攻めあぐねたり、結局イバへのロングボールが中心になってしまったりといった事象はここ何試合かを見る限り序盤戦に比べて少なくなったように感じました。

ボールの動かし方について前々節の岡山戦を例に挙げると、岡山の2トップに対して数的優位を作るためにボランチの田代がDFラインに下がり2CBと3人で最後尾からのビルドアップを担います。
そうすると両SBは高い位置を取り、それに伴って両SHは中へ入り、いわゆるハーフスペースにポジションを取ってきます。
この方法自体は非常にベターなやり方ではありますが、こういったことがより整理されたことで各々の動きやボールの動きがスムーズになりました。そして何といっても前線には絶対的にボールを収められるイバがいて、中盤ではゲームを司るレアンドロドミンゲスがいます。スムーズな連動によって彼らのアイディアやパワーがより活きていると言えそうです。

台頭する大卒と大学生

監督が変われば起用する選手も大なり小なり変わってくるわけですが、そんな下平さん就任以降に台頭してきた選手を何人か紹介しておきます。
まず27番の中山。現在ケガで離脱中の草野と共に大卒コンビの彼らがここ最近の横浜FCにおけるブレークコンビと言えるでしょう。
主に右SHに入ることが多く、スピードを活かした突破が武器のアタッカーです。後ろにいる右SBの北爪とは学年的に被ってはいませんが同じ専修大出身ということで、2人とも勢いがあって攻撃力十分の専修ホットラインには十分注意が必要になります。
そしてもう1人が前々節デビューしたばかりの松尾です。
現在仙台大学在学中の強化指定選手で、来季からの横浜FC加入が内定しています。こちらは左SHで出場しており、彼も中山同様突破力に長けた選手で、とにかく持ったら仕掛けるという姿勢が清々しく、縦にも横にも抜けられるプレーヤーです。
今週の水曜日には仙台大の選手として横浜FCと対戦するというなかなか珍しいシチュエーションで天皇杯に出場していたので、今節出場するかは正直不透明ではありますが、出てきたらこちらも要注意になります。

相手ボランチの手前とミドルの意識

横浜FCは恐らくそれほど前からプレッシャーを掛けることはないと思うので後ろはある程度ボールは余裕を持って保持できると予想します。ただその分、後ろの4-4のブロックはコンパクトで破るのは簡単ではありません。
その中で狙いどころを挙げるとすれば、相手ボランチの手前のスペースです。
ここ何試合か見た限り、横浜FCのボランチは相手ボールになった後少し下がり過ぎているように見えることが何回かありました。
特に相手ボールになってから素早くサイドに展開された後はその傾向が強くなっていたように思います。
これは前線2人が守備で力を発揮するタイプではないために、まずは下がってスペースを埋める意識が強く働いているのかもしれませんし、田代は本職がCBなのでそういう後ろへの動きが出るのかもしれません。
どちらにせよ、新潟としては奪った後できるだけ早くサイドの高い位置で起点を作りたいということと、いつも以上にミドルを狙う意識を持っておくことも大事になってくるのではないでしょうか。

プレスを掛けるか掛けないか

試合の展望として、新潟が前からプレッシャーを掛けるか、それとも留まるかは1つの大きな見所な気がします。
掛けた方がいい根拠としては、横浜FCが3節前の水戸戦で水戸のハイプレスに対してバタバタしてしまい苦労していたことや、横浜FC自体も前線2人が運動量の多いタイプではなく前からプレスを掛けないので割とローテンポなゲームの方が自分達の土俵なように見えるからです。
また、先制点を取った試合がここまでリーグワースト2位タイの6試合しかないことからも、あまりハイテンポでオープンなゲームは好んでないように感じたのでプレスを掛けてバチバチの奪い合いみたいな展開にするのはおもしろいかもしれません。

逆にプレッシャーを無理に掛けず留まった方がいい根拠としては、先にも書いたように横浜FCは4バックから田代が下りて3バックになり・・・とローテーションしながらボールを運んできます。そこで無理に取りに行ってしまえばむしろ相手の思う壺になりかねません。
さらに、新潟は前々節鹿児島戦の後半しかり、前節の大宮戦しかり、無理に前から行かないやり方で手応えを得ています。
開始10分、15分だけガッツリ前から襲いかかってそれ以降はステイするような、時間帯によって使い分ける意識はいつも以上に明確にしてもいいかもしれません。
どんな展開の試合になるかという点で特に注視しておきたいポイントになるか思います。

最後に

さあ、いよいよ今節から後半戦です。
前半戦が終わったということで、今年のここまでのリーグ全体における勝ち点推移や、それが昨年や一昨年と比べてどのくらい違うかといったデータをいろいろな方のツイートや、某サッカー雑誌の動画コンテンツで目にしました。
数学(というかこれは算数か)は大の苦手なので細かい計算とか皮算用については気になる方は各々で調べてください、という感じではあるのですが、やっぱり今の勝ち点というのは昇格のためにはかなりギリギリの立ち位置のようです。
ただ、ここからの巻き返しは十分に可能であることもまた事実のようです。

終盤、算数が苦手な自分ですら細かい計算をしながらドキドキできる順位にいられるように、とにかくまた今週から1つ1つ目の前の試合に勝っていくのみであります。