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オレラグ

いいところもちゃんと見ます【Review】第22節 横浜FC戦

2019年7月15日

う〜ん・・・書きづらい試合です・・・。
いや、自分が書きたくて書いていてそれをこんなちゃんとしたサイトでありがたくも載せてもらっているわけなので、書きやすいとか書きづらいなんてことは自分の力量次第だから不満を垂れるのも筋違いではあるんですけど・・・。
でもね、書きづらい。
いっそのことダメダメなら書きやすい気もするんですけど、いやはや、難しい。

スタメン

冒頭から嘆いてしまい申し訳ないですが、今節も振り返ってみます。
新潟のスタメンは前節と全く同じメンバーでした。
横浜FCは前節から2人変更。CBに川崎、左SHに斉藤光毅が入っていました。それ以外は前節と同じメンバーです。

そういえば、いよいよレオとフランシスのチャントがお披露目されましたね。
どちらもよかったですが特にレオの方はとっても好きです。次節以降毎試合2、3回歌えることを期待したいと思います。

前半

横浜FCがじっくりとビルドアップしながらボールを握る展開で試合は始まりました。
3分のレアンドロドミンゲスのCKまでしばらく横浜FCが持つことになりますが、それについてFM-PORTで解説をされていた梅山さんは、
「これは新潟としてはやりやすい相手かもしれない」
「引きこんでカウンターというのが今機能している、チームが上向いている要因だと思うので」とおっしゃっていました。
するとその通り、11分にはカウンターからチャンスを作ります。
中盤でサチローがカットすると、受け取ったレオが運びながら味方の上がる時間を作ります。そこから預かったカウエがワンタッチで右の善朗に展開して、フリーの善朗が上げたクロスにこちらもフリーになったレオがヘッドで狙います。しかしここは南に防がれました。
梅山さんも高く評価されていたレオのオフザボールの動きと、またもや善朗のベッカム級の高精度クロスとが合わさって、前節に続いて再びホットライン開通かと思わせるシーンでした。
ただ振り返ってみると、ここで決め切れなかったことがこの日の大きな分岐点だったのではないでしょうか。

横浜FCのビルドアップは予想通りボランチの田代がCB間に下がって後ろを3人にして、SBを高く押し上げる形でやってきました。
それに対して新潟は、最初は取りに行かず持たせておき、両脇に出たCB(ヨンアピン、川崎)がハーフラインにかかるくらいまで来たら善朗とレオのどちらかが中央の田代へのパスコースを消しながらサイドへ追い込んで寄せる、という守り方をしていました。ここの守り方に関しては及第点だったように感じます。

また、新潟の攻撃に関しては10分くらいから横浜FC同様ボランチのカウエが後ろへ下りる形が増え、そのあたりから新潟がボールを持つ時間も増えていきました。
ゲーム全体として振り返ると、なかなか勝負のパスが入らず攻めあぐねた印象でしたが、前半の序盤に関しては長いボールも織り交ぜながらやれてはいました。

入りは横浜FCが持ち、少しずつ新潟が盛り返すという流れの後、再び横浜FCの時間になっていき新潟は我慢を強いられることになります。
要因としては、奪って前線に送ってもうまく収まらず起点が作れないため、すぐ奪い返されて守備の時間が長くなるという感じでした。
ただ我慢の時間でもゴール前に迫られるシーンは多くなく、梅山さんも「横浜は横パスが多いので守る方は楽」ということをおっしゃっていて、あくまでも攻撃で時間が作れないがために守備の時間が多くなっているだけで、守備自体は落ちついて対応できていたように思います。

しかし、それでもまんまとセットプレーでやられました。
34分、レアンドロドミンゲスの右CK。サインプレーでマイナスにグラウンダーのボールを送ります。うまくマークを外した田代がシュート。
大谷が一旦はセーブしますがこぼれ球を斉藤が拾うと、うまく外へ逃げてからシュートを放ちました。失点。
マークの部分に対しての準備もそうですし、もっと遡ればこのCKになるまでの過程でも、南がゴールキックを気持ち早めに北爪へ送り、それに泰基が急いで出てしまったことで1人ずつ剥がされてCKまで持っていかれていました。ここに関してもやっぱり準備がどうだったのか、といえるのかもしれません。

終盤泰基が裏に飛び出していったり、善朗の直接FKがあったりと反撃に出ましたがゴールは奪えず前半終了。1点ビハインドで折り返します。
梅山さんは「内容的に劣っているわけでは決してないのでそこを勘違いしないことがまず大事かなと思います」とおっしゃっていました。

後半

入りは前半同様横浜FCのゆったりとしたビルドアップから始まりますが、すぐに新潟が仕掛けていく展開になります。

48分の右サイドで新井と善朗がパス交換から突破を試みた場面では、善朗のコントロールが大きくなってミスになりますが、「何をしようとしているか見て取れるようになったかなと思いますね」(梅山さん)と変化の兆しが現れます。
50分には正面絶好の位置からのFKのチャンスもありました。
善朗が狙ったボールは残念ながら南に読まれて防がれましたが、FK獲得につながるバイタルエリアで受けた善朗のプレーはナイスでした。

さらに、58分には決定機が訪れます。
右サイドから新井の左足クロス。ファーサイドでフリーの新太が折り返して善朗がシュートを狙いますがうまくミートできませんでした。
新井は前半から中に入って左足クロスという形を多く見せていて、このシーン以降も何回かありました。
このプレーは、新井の試合中の判断だったようです。詳しくはぜひ大中さんのインタビュー記事をご覧ください。

それから、チャンスを作る中で出足のいい守備は継続してできていました。
サチローについて梅山さんは「前半から戸嶋祥郎の出足は素晴らしいですね。奪い方をよく見てもらいたいですね。スッとタイミングよくボールと相手の間に体を入れるんですよ。体が大きくなくてもボールは取れるんですよね」と大絶賛していました。
つくづく“ああいう選手になりたかった”と思わせる選手の1人です。
また、66分には將成がルーズボールをカットして自ら運びミドルを放つシーンがありました。彼もいい出足の守備を随所に見せていたことは忘れずに書いておかなければなりません。
將成のミドルの直後、横浜FCベンチが先に動きます。イバ→戸島。
將成のミドルの少し前にあった、イバがクロスに間に合わなかったシーンを見て横浜FCベンチはすぐ戸島を準備していたと梅山さんは解説されていましたが、四方八方目を光らせているのは改めてさすがだなと感服させられました。

しかしその3分後、感服している場合ではありませんでした。
レアンドロドミンゲスの右CK、ドンピシャのタイミングであわせたのは入ったばかりの戸島。あちゃちゃ……。
試合後に戸島は「相手が自分に対して、スペースを空けてマークにつくというスカウティングがあったので、そこをしっかり狙えたのがよかった」とコメントしていたように、まさに相手からしたら狙い通りの得点だったようです。
なかなかセットプレーという苦手が克服できません。夏休みの自由研究に悩んでいる人はこれについて徹底的に調べるのはいい題材かもしれません。
いや、冗談半分でもこんなこと書くのは歯痒いわけですが…。改善求む。

2点差にされた直後、新潟は矢継ぎ早に両SHを代えます。
フランシス→ヨンチョル、新太→至恩。どちらもそのままのサイドに入りました。
75分、バイタルで至恩が受けてFKを得ますが善朗のキックは壁に阻まれます。
79分には再び右サイドから新井の左足クロスに今度はヨンチョルがヘッドも上へ外れます。
80分、將成→貴章。カウエをCBに下げ、善朗とサチローが中盤のセントラルで縦関係、前線は貴章とレオの2トップにします。
貴章投入以降はロングボールも多用して何とかこじ開けに行きますが、得意のゾーンからの至恩のシュートやロングボールからレオのシュート、最後には新井のロングスローからクリアボールを善朗がボレーで狙う場面もありましたがゴールは奪えず。

横浜FCは77分に斉藤→松尾、87分に中山→瀬沼とこちらも両SHを入れ替えます。前線がイバとレアンドロドミンゲスという守備での貢献はあまり望めない、というか求められていない2人だったこともあってこの両SHのがんばりはよく目立っていました。
また、2点目以降は無理をせず余裕を持って守られてしまったように感じます。横浜FCは下平さん就任以降初めての完封だったようですが、試合後そんな下平さんも守備の手応えを口にしていたように、前節やそれまでよりもラインの高さやコンパクトさ、オーガナイズは向上しているようにも感じました。

0-2、痛い痛い敗戦であります。

上下の揺さぶり

横浜FCの守備がこれまでよりも向上していたと書きましたが、それと同時に新潟が相手の脅威になるような攻撃を特に後半、仕掛けられなかったのもまた事実でした。ただ効果的な攻撃ができなかったのは何も新潟側だけの話ではなく、試合全体としてお互いにオープンプレーで守るのはそれほど難しくない展開の中で、セットプレー2発によって上手に3ポイントを持っていかれたという印象です。

攻撃でどんなプレーが必要だったかということで、まず前半14分の新太のシュートまで至ったシーン。
ビルドアップで右から左に運び、泰基が高い位置で起点になった後、中央の善朗に預け、泰基が内側に入って再びもらってから外の新太へ渡してシュートという流れです。
プレビューで“サイドの高い位置で起点を作れると横浜FCのボランチは下がり過ぎるように見える”と書きましたが、このシーンに関しては咎められるほど佐藤と田代が下がり過ぎているわけではありませんでしたが、実際善朗が手前のスペースで受けることができて、さらにその背後を泰基が取れています。
3分のレアンドロドミンゲスのFKの後、カウンターから右サイドのフランシスが持ち込んだシーンも、カウンターシチュエーションのため下がるのが最優先とはいえ、やはりボランチが下がったことでペナルティエリア手前には大きなスペースがあり新潟の選手も入れていました。
ここをもっと意図的に狙う意識があってもよかったのかなと思います。

また、序盤にこうして良いパスがそれなりに入っていたことが、逆に中央への縦パスは案外狙えると色気ではないですが思えてしまい、ビルドアップからハーフスペースにパスを刺すことを窺いすぎて、結果的に入れられずボールがブロックの外を回ることが多くなってしまったのかなとも感じました。
素早くサイドを替えることもそうですし、梅山さんが何度かご指摘されていたように「前線が斜めに動き出すこと」やDAZN解説の勲さんも同じことをおっしゃっていましたが「裏に抜ける動き」をジャブで入れる必要があったのかなと思います。
裏に抜ける動きについては「ボールが来なくても相手のラインを下げられますからね」と勲さんは説明されていました。

サイドの関わり

「最後の3分の1の精度、イメージの共有」という課題も試合中、そして試合後にも梅山さんは指摘されていましたがその中でも、サイドの孤立について。
58分の決定機の直後にあったCKのこぼれ球をカウエが左サイドで拾ったシーン。結局粘ってクロスを上げるまでは行きましたが南にキャッチされてしまった直後に「1対1でちょっと任せちゃうところがありますよね」と梅山さんはおっしゃっていました。
サイドまで運んだけど仕掛ける選手が孤立しているシーンは前半からもよく見られた展開で、よくてもSBとSH、出し手と受け手だけしか関われてないことが多かったように思います。
1対1でも、例えば片方のサイドや中央に人を集めておいて、逆サイドで突破力のある選手に1対1を仕掛けるスペースと時間を与える、いわゆるアイソレーションと言われるようなことが意図的に作られていれば問題ないのですが、相手のブロックの外を回してサイドまでいってから、じゃあ仕掛けようということがほとんどだったように感じられ、これだと相手も準備ができているので対応しやすくなります。

1つヒントになりそうなシーンが下図の39分29秒〜のシーンです。
新井の斜めのくさびを善朗がワンタッチでフランシスへ送る流れです。
決して複雑な動きやテクニックを駆使したプレーではありませんが、3人目まで絡んで、さらに少ないタッチで動かすことができれば、逆に言うと複雑なことはせずとも相手を剥がせたり、剥がしやすくなったりします。
このシーン自体はもう一工夫足りずチャンスにはなりませんでしたが、連携の内容よりもボールを受ける動きや関わろうとする動きがもっと欲しかったなと感じました。

最後に

まだ思ったことはある気がするんですけどちょっとまとまらないので終わります。
書きづらいとかいいながらいつも通り長々とダラダラ書いてしまったわけですが、これはここまで読んでもらったら分かるように、たくさん引用させてもらった梅山さん解説、FM-PORT中継の影響であることは間違いありません。ラジオを聴きながらだと試合を見ながら自分が感じたことの答え合わせができたり、当然見えなかったことも教えてくれたりと、なんだかサッカーに詳しくなった気分で見られるからとってもありがたいです。

最後もまた梅山さんの言葉を引用しますが、試合後に梅山さんは
「CKの失点を試合全体の印象と結び付けるのはあまりいいことではない」
「内容は決して悪くなかった」ということもおっしゃってくれていました。
もちろん同じ勝ち点の相手に強かさで上回られて負けたことは絶対に許容できるものではないし、していいものでもありませんが、よかったところや決して悪くなかった部分というのをちゃんと見て評価することも忘れてはいけないなと感じます。そういえばこれって吉永さんもずっとおっしゃっていたなって書きながら思い出しました。

結局このレビューも課題ばっかり書いてしまった気がしますが、自分ももう1回くらい見て良かった部分を改めて確認しようかなと思います。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。